さて、オーストラリアでのお話の続きです。
フラワースクールで、いよいよ「生け花デモンストレーション」を行うこととなりました。
全く生け花について知らないフローリストたちに、いかに生け花の素晴らしさ、美しさを伝えることができるのか、緊張しました。
午後6時開始だったので、昼ごろスクールのほうへ行き、花材チェック。
あまりにいろいろお世話になっているので、スクールにその日ある材料で、即席でやろう!と決めていました。
お花屋さんも一緒になっているスクールなので、花はとりあえずあります。
問題は枝もの。
シェリルが気を利かせて桜を買ってきてくれていたので、それをまず使うことに。
日本の啓翁桜と違って、枝ぶりが真っ直ぐな桜で、生け花的には残念なものだったのですが、わざわざシェリルが買ってきてくれたのだから、何としても使わなくては!
伝統的な花型を用いたいけ方と自由いけの2鉢を見せるつもりでいます。
桜は、伝統的ないけ方で使うことに。
自由いけはどうしよう?
倉庫を覗かせてもらうと、ラインの綺麗な枯れものと着色した長い棒を発見!
このふたつを組み合わせて、ラインの美しさで見せよう! こっちの人にも気に入ってもらえそう!
枯れものを発見して、ようやくほっとしました。
午後6時がやってきました。

いざ、スタート。
テーブル手前に置いてあるお菓子は「おっとっと」と「きのこの山」 スタート時間まで、日本のスナック菓子で、早めに来た人と談笑していました。
このふたつのお菓子は、海外の人にうけがいいので、外国に必ず持っていきます。ちょっと空気がなごむので。

生け花の歴史やらまずは概要を説明。

はさみの使い方。あちらのフローリストは、ナイフを使うので、「おー」と言って驚きながら見てくれます。
私はいつもわざと音を聞かせて、「静かなところで一人花をいけていると、この音が心に響きます」と説明しています。

水切りの説明。あちらはナイフで茎を鋭く切って、水揚げをしているので、この水切りの原理にも、とても感動してくれます。

伝統的な花型で桜をいけていきます。普通は、前からいけるのですが、お客様が見やすいように、デモンストレーションでは後ろからいけていきます。
緊張も加わってか、いつもは朝飯前の伝統的な型も、難しく感じます。

できるだけ分かりやすいようにと、ホワイトボードに花型図を書いたり、単語を英語と日本語で書いたり。

桜には、チューリップを合わせました。春の黄金トリオですね。
さて、いよいよ自由いけ。

倉庫で見つけた枯れものが登場。かなり大きないけこみになりました。お立ち台が欲しい!(笑)

百合とモンテステラを合わせて。
枯れものの曲線と直線の組み合わせが写真では見づらいですね。
もうちょっと後ろがすっきりした場所でやれば良かったな、と反省。
まあ、何事も1歩1歩、まず経験です。
「これじゃあ、MIKAの作品が死ぬわ! もっといい場所に移しましょう!」と、みなさんが場所を片付けてくれて、撮った写真がこれです。

やっとラインが見えました! 直線のラインは、これまた見えずらいのですが、赤と緑に着色された枯れものです。
ぽきぽきと折りながら、黒い枝に留めました。

私のオーストラリアの人に対する感謝をイメージして作りました。
オージーズは、芯が強くて大地にしっかり足をつけて立っている。頭を持ち上げて、太陽を見ながら。
そして、全てを受け入れるおおらかさ、温かさがある。
そんなことを言いながら、この作品を作りました。
みんな、いたく感動してくれて、拍手喝采、というか、終わったら全員とハグです。
やっぱりやって良かった。
自分の中の小さな1歩を踏み出せた気がします。

みんなと記念撮影。写真撮影のため、片付けるのに時間がかかって、途中帰ってしまった人もいて、全員と撮れなかったのが心残り。
だって、結構、お教室、雑然としているから(笑)、片付けるの大変でした。
でも、その雑然さが、オーストラリアのおおらかさなのではないかと思います。
さて、このブログでは、これ以上写真をべたべた貼り付けると、さすがにしつこい気がしますので、このフラワースクールでの経験をアルバムにしました。
生け花デモの様子ももっと詳しく説明していますし、あちらの生徒さんのアレンジもいっぱい写真に撮ってあります。
もしお時間があれば、ぜひそちらを見てみてくださいね。下にリンクを貼っておきます。
アルバムの写真をクリックすると、横にキャプション(説明)が現れますので、一枚一枚めくってみてくださいね。
パースのフラワースクールで出会った素敵な人たちさて、パースではまだまだ、たくさん素敵な出会いがありました。
次回は、そのお話を!
最後までお読み頂きありがとうございました。